Kentish plover

(Charadrius alexandrinus)

シロチドリ

三重県の海岸に通年生息する小型のチドリ、県の鳥に指定されている。分布は広く、ユーラシア大陸北部、北米に生息する。冬には集団になる。春から夏にかけて海岸の砂地、まばらに植生のある場所に卵を産み、ヒナを育てる。コアジサシのコロニーの中に混じって営巣する場合もある。


繁殖

巣は砂地のやや高い場所に作る。何も巣材を使わないかあるいは貝殻などを少しだけ敷き、ややくぼませる。その中に3 個の卵を産み、抱卵する。オスも抱卵に加わる。メスが抱卵している場合、オスは近くで警戒していることが多い。

卵は白地に黒あるいは褐色の不規則な模様があり、巣を見つけることは極めて困難。抱卵通常4 月から始まり、3週間程度である。 雛は孵化するとすぐに歩くようになり、親に連れられて巣を離れる。

雛が孵化するのは5 月中下旬。雛は餌を自分で取り、親からは給餌を受けない。外敵が近づくと、流木やゴミのそばにうずくまり、動かない。雛は保護色であり、砂浜では見つけることがきわめて困難である。約3週間で飛べるようになる。飛べるようになった鳥は羽色から親鳥と見分けがつく。


県内での繁殖状況

県内では津市の町屋浦、豊津浦などの海岸で多く繁殖が見られたが、今では少ない。香良洲海岸やその周辺でも少数ながら繁殖する。志摩半島でも繁殖の記録がある。また、鈴鹿川中流でもかつては繁殖していたが、現在の状況は不明である。

抱卵期は春のゴールデンウィークと重なり、海岸利用客が巣のそばに長時間いすわると巣を放棄する可能性がある。


渡り

シロチドリは三重県で通年観察されるが、渡りをしており、繁殖期の個体群と越冬期の個体群は別である可能性がある。繁殖期が終わった7月中旬には渡りの群と思われる集団が表れる。この群は繁殖個体のように海岸の内部まで入り込まないし、個別の行動をすることは少ない。また、冬に熊本県で足環を付けられたシロチドリが繁殖期に吉崎海岸で釣り針にかかり落鳥している。

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