Golden Eagle

(Aquila chrysaetos)

イヌワシ

大型のワシで、陸上の動物を捕食する山ワシである。主に草原で繁殖し、採餌する。新旧の大陸の温帯に広く分布し、いくつかの亜種に分類されている。


日本での繁殖

本来草原の鳥であるが、日本では山地で繁殖する。かつては牛馬のための放牧、採草場所、かやぶき屋根の材料のための萱(かや)場が山地に多くあり、さらに、雪崩などによる裸地、崩壊地が多くあり、草原の鳥であるイヌワシが生息できる環境が日本にもあった。また、戦後の植林により、伐採地が多く出現した時期があった。しかし、このような草地、崩壊地、伐採地がなくなるとイヌワシの生息できる場所が減少した。さらに、道路建設、リゾート開発、ダム建設など山奥まで人が入りこむようになり、安全に営巣できる場所が減った。

日本イヌワシ研究会によると日本に生息するイヌワシは150~200つがい、500羽程度とされている。現在ではこれより、さらに減少している可能性が高い。九州、四国の個体群はほぼ消滅している。


三重県での生息

三重県ではかつて鈴鹿山脈のほぼ全域でいくつかのつがいが繁殖していた。また、それとは別に大台ケ原山地でも繁殖する個体群があった。しかし、後者はかなり以前に絶滅している。鈴鹿山脈でも北部でひとつがいのみが生息していたが、それもいなくなった。しかし、稀に滋賀県側から飛来する個体が藤原岳付近で観察されている。


開発による問題

太平洋セメントでは石灰岩を採掘するため、あらたに藤原岳山頂付近まで採掘を拡大する計画を立て、すでにアセスメントも終わり、採掘準備に入っている。アセスメントでは新たに採餌場所を創出するとしているが、全国でも創出に成功した例はない。また、周辺では別にも鉱山開発が計画されており、イヌワシの生息する環境は著しく悪化している。

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