Grey-faced Buzzard
(Butastur indicus)
中型のタカ。東北地方以南の本州、四国、九州で夏鳥として繁殖する。稲作地帯に多い。体は赤褐色で、下面は白く、褐色の横斑がある。オスは頭が灰色になり、白い眉斑がある。メスは灰色味がない。秋には集団で南下し、フィリピンなどで越冬する。
かつては三重県各地の低山でごく普通に繁殖していた。しかし、現在繁殖が知られている場所はかなり少ない。低山の山あいの田で、カエルなど両生類、節足動物を捕食し、アカマツに巣を掛け、繁殖していた。しかし、山奥の谷地田が放棄され、また、アカマツが枯れ、植生が変化し、サシバの棲める環境が大きく変化した。四日市周辺では太陽光発電の設置により繁殖環境が悪化した。
日本各地でも数が減少している。秋に伊良湖岬から飛来し伊勢を通過するサシバの個体数も減少をつづけている(しろちどり72号)。繁殖期にはピークイッとしきりに鳴くので、巣を発見するのは容易である。ただし、巣に近寄ることは営巣の妨害となるので、禁物である。