黄色のフラッグT7の付いたミヤコドリ(2019年10月に松阪市五主海岸で発見)、黄色のフラッグT6の付いたミヤコドリ(2019年9月に東京湾三番瀬(千葉県船橋市)で発見)は、カムチャツカ半島中部西岸のKhairusovo, Belogolovaya川河口、でロシアの研究者D. S. Dorofeevらによって放鳥されたものと判明しました(環境省・山階鳥類研究所2019/12/19発表)。 

 

20191001 miyakodpri markミヤコドリEurasian Oystercatcher は広くユーラシア大陸とその周辺の島嶼に生息しています。そのうち東アジアに生息する亜種は約10,000羽から11,000羽と推定されています。大半は韓国中国沿岸で越冬しますが、日本では東京湾三番瀬周辺と伊勢湾西岸で越冬します。繁殖地はカムチャツカ半島と韓国西岸の島嶼とされています。

今回の発見により、日本で越冬するミヤコドリの少なくとも一部はカムチャツカで繁殖し約3,000kmの長大な渡りをしているようです。ロシアの研究者の努力と日本の野鳥の会会員などの野鳥観察が実を結んだものです。

カムチャツカ半島におけるシギチドリの様子はこれまで明らかになっていませんでしたが、D. S. Dorofeev らによってKhairusovo, Belogolovaya川および近隣のMoroshechnaya 川河口にミヤコドリやオバシギなどが多く滞在していることが明らかになっています。シギチドリの重要な中継地として注目されるようになるでしょう(当会会報しろちどり102号)。

今後、この2羽がどこで越冬するか?越冬期にどれくらい移動するかも興味ある課題です。これまでは個々の鳥がどれくらい移動するのかは分かっていませんでした。フラッグはよい目印になります。フラッグ付きを見つけたら、日時場所を山階鳥類研究所に、また、当会にも連絡してください。可能であれば文字を読み取ってください。

様々な鳥にフラッグやカラーリングを付け、野外での行動、分散、渡りなどが研究されています。これらの情報は野鳥の生息環境の保全にも役立てることができます。

これからもフラッグの付いた鳥を見つけた場合には山階鳥類研究所へ連絡しましょう。また、当会のHPなどに投稿していただいても、連絡を引き継ぎます。

野鳥の会三重はミヤコドリの正確な越冬数を知るため、2014年12月からミヤコドリカウントを毎冬3回ずつ行っています。近年の調査では100羽以上のミヤコドリが伊勢湾西岸で越冬しています。(M. H.)

フィールドは地元の方々にとって大切な生活の場です。野鳥に対しての配慮はもちろんですが、狭い道に車を止めない、地元の方には挨拶をする、ゴミは捨てない(問題外)、樹木や草本を傷つけない、などのマナーを守って気持ちよく観察しましょう。また、観察や撮影のために野鳥に餌を与えたり、野鳥の声のCDなど音源を流して呼び寄せることは生態系の攪乱、繁殖の妨げとなりますので、慎みましょう。

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