Dorofeev氏からの投稿について

日本野鳥の会三重 平井正志

2019年秋にフラッグ付きのミヤコドリが三重県と千葉県で発見されてから、私は山階鳥類研究所の千田万里子さんに問い合わせ、フラッグを付けたロシアのDmitry Dorofeev氏と連絡を取った。彼は先に、カムチャツカでのシギ・チドリ類の中継地の論文を発表していた研究者である。投稿を依頼するとすぐに了解していただき、写真も何枚かいただき、「しろちどり103号」に和訳して掲載した。このサイトでは原文の英文を掲載する。

2020flagOystercatcher

 

カムチャツカ半島は日本のバーダーにとって遠く、情報もほとんど無い地域。グーグルマップや衛星画像で見ても、川は自由自在に蛇行し、町も道路も少ないようである。以前1998年から2000年まで、日本の鳥類標識協会からバンダーが訪れ、現地の鳥類学者Gerasimov氏の協力を得て、標識調査したことがある。その調査報告は鳥類標識協会誌に掲載されている。しかし、水鳥の調査はされていない。Dorofeevの投稿から、その土地と彼らの活動の情報が少しは得られよう。より、興味のある方は衛星画像も参考にされたい。

今後、カムチャツカでのミヤコドリの繁殖数が何つがいくらいあるのか? また、朝鮮半島のミヤコドリとカムチャツカのミヤコドリとは往来があるのかなど、興味ある課題である。また、その他のシギ・チドリではメダイチドリ、ホウロクシギ、アオアシシギ、クサシギ、キアシシギ、ヒバリシギなどが繁殖しているとされ、まことに興味ある地域である。無論、陸鳥や海鳥についても興味ある地域。しかし、現在の詳しい状況はわかっていないようである。さらに交流を深め、現状を知りたいものである。

 

参考文献

Hayman, P., Marchant, J., Prater, T. 1986: Shorebird, Helm, London
Krechmar, A. V. 1996: 北シベリア鳥類図鑑、文一総合出版、東京
Kondratyev, A. Ya., Litvinenko, N. M., Kaiser, G. W. (eds.) 2000: Seabirds of the          Russian Far East. Canadian Wildlife Service, Ottawa
真田ちか 2007: カムチャツカ紀行・ついでの鳥見.しろちどり53号(当会HPで閲覧可)
深井宣男・須川 恒・千葉 晃・尾崎清明 2010: カムチャツカにおける日露共同標識調     査報告。鳥類標識協会誌 22:8-16. (この号にはいくつかの関連論文が掲載されており、J-Stageで閲覧できる) 

Language

3月 2024
25 26 27 28 29 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 1 2 3 4 5 6

会員ログイン

  • 野鳥の会三重の会員の方はここからユーザー登録できます。 ⇒ユーザー登録

mail to jimukyoku mail to hp 会報へのご意見・ご投稿 mail to data page mail to photo page

__________________________________________________________________________________________________________________

Copyright © 2004-2015. 日本野鳥の会三重 All Rights Reserved.