Streaked Shearwater

(Calonectris leucomelas)

oomizunagidori

大型の海鳥。上面は黒褐色。下面は白い。頭は白っぽく見える。めったに陸地には近寄らず、一生を海で暮らす。ただ、繁殖のため、夏に日本近海の無人島に上陸し、ヒナを育てる。外洋を航海するフェリーから界面すれすれを優雅に飛ぶオオミズナギドリを見ることができる。非常に長寿で、野外で36年の記録がある。

頭は白地に黒い斑点があり、野外では白っぽく見える。翼を広げると全幅約120 cm。カモメ類よりもほっそりした体型である。日本近海ではハシボソミズナギドリも見られるが、こちらは下面も黒褐色で、オオミズナギドリよりも一回り小さい。


繁殖

オオミズナギドリは日本近海の無人島で繁殖する。日本近海では伊豆諸島御蔵島、京都府冠島、石川県七ツ島大島、岩手県三貫島、北海道渡島大島、新潟県粟島などで繁殖する。韓国にも繁殖地がある。繁殖地には春到着し、昨年の巣穴か、あるいは新しく巣穴を掘って、その中に卵を一つだけ産み、ヒナを育てる。脚輪による調査では親鳥は長年、島内の同じ場所を使う傾向が強い。親鳥は夜、巣穴へ帰り、胃の中の半消化物をヒナに与える。秋にヒナが十分に肥大すると親鳥はヒナを放置して離島する。ヒナは体内の栄養で、羽根を伸ばし、飛べるようになると、離島する。脚輪を付けた調査から、幼鳥は年間を通じて海で暮らし、生後4年間は島に戻らない。4年を過ぎてから生まれた島に戻り、繁殖に参加する。長寿な鳥であり、足環による調査では20年を超えて、繁殖地へ戻ってきている。最長寿の記録はなんと36年である。

海上では波が起こす風を上手に捕らえ、帆翔する。魚やイカを捕食する。非繁殖期には太平洋の赤道付近、オーストラリア近海まで南下する。


繁殖への脅威

最大の繁殖地、東京都御蔵島ではノラネコによる捕殺があり、個体数が大きく減少している。また、その他の島でもドブネズミによるヒナの捕殺があり、問題である。三重県紀北町紀伊長島沖の大島では以前から小規模ながら、オオミズナギドリの繁殖が知られている。しかし、ここもドブネズミが入り込み、ヒナが捕殺されている。巣穴の数は以前と比べ大きく減少しているようである。


ドブネズミの駆除

環境省では国内いくつかの島でドブネズミ駆除を試みている。主として殺鼠剤による駆除で、ヘリコプターなどで殺鼠剤を散布する。あるいは 殺鼠剤の入ったエサ箱を地上に設置するなどの方法が取られている。石川県七ツ島大島ではエサ箱設置を4年継続した。その結果、2019年にはドブネズミの個体数を根絶近くまで減少させたと報告されている。

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