Eurasian Oystercatcher

(Haematopus ostralegus)

miyakodori

白黒の体にオレンジ色のくちばし、海岸に生息する水鳥。シギ・チドリの仲間であるが、通常のシギやチドリとは異なり、独立した科に分類される。主として二枚貝を食べる。日本では東京湾と伊勢湾の限られた場所にしか飛来せず、その他の干潟などでは稀に少数個体が見られるだけである。


東アジアに生息するミヤコドリ

ミヤコドリの仲間には多くの種があるが、日本に飛来、越冬するのはユーラシア大陸全体に広く分布する種である。個体数は500,000羽以上と推定されている。しかし、東アジア、ユーラシア大陸東岸に生息する個体群はヨーロッパ側の個体群とは隔離されており、わずかに10,000個体と推定されている。韓国では多数の個体が越冬するとされているが、調査結果は少ない。一方中国沿岸にもミヤコドリが越冬する可能性は高いが、中国での調査結果は極めて断片的である。


日本での越冬

日本では主に越冬期に見られるが、他のシギ・チドリのように干潟があれば飛来するわけではなく、東京湾と伊勢湾西岸でしか見られない。かつては九州の和白干潟でも見られたが今ではごくわずかである。その他の場所ではまれに少数個体が観察されるだけである。この分布の偏りはミヤコドリが二枚貝を主として捕食することによるのであろう。東京湾、三番瀬では近年500羽前後が観察されている。伊勢湾では西岸全域で一斉にカウントされ、正確な生息数が記録されている。それによると、近年は150羽前後が越冬し、わずかに増加傾向である。


繁殖地

一方繁殖地の状況についての情報はごく、少ない。韓国西岸の離島で繁殖するとされているが、詳しい報告はない。ロシアカムチャツカ半島での繁殖についても情報が不足していた。しかし、2019年にロシアの研究者により半島中部西岸のKhairusova,ハイリューソヴァ川河口付近で3羽の巣立ちビナに足環とフラッグが付けられ、そのうち2羽が東京湾と伊勢湾にそれぞれ、飛来した。うち、1羽は2022年2月まで伊勢湾西岸で観察されている。これにより、日本で越冬するミヤコドリの少なくとも一部はカムチャツカ半島で繁殖することが明らかになった。カムチャツカ半島以外のオホーツク海沿岸でも繁殖の可能性が示唆されているが、現地からの情報はない。

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